お店で購入したアイスプラントを無農薬かつ化学肥料不使用で再生栽培することに挑戦してみました。
はじめに
健康の維持にとって、食材の安全性が重要であることに疑問の余地は無いと思います。野菜は、低カロリーなうえ、ビタミン、ミネラル、食物繊維など含むため、毎日の食生活に欠かせない食材ですが、栽培時に使用される農薬や化学肥料、遺伝子組み換えなどによる人体への影響は考慮すべき課題だと思います。
このような懸念から、農薬や化学肥料を使わないで栽培されている生産者の方から、安全性が高いと考えられる野菜を定期的に購入しています。その一方で、自助努力も必要と考え、素人ながらも無農薬、化学肥料不使用での家庭菜園への挑戦を始めました😄。
アイスプラントとは…
アイスプラント(学名:Mesembryanthemum crystallinum)はハマミズナ科メセンブリアンテマ属の多肉植物に分類される野菜で、 ヨーロッパ、西アジア、アフリカが原産といわれています。葉や茎の表面にブラッター細胞と呼ばれる水滴状の細胞があることが特徴で、ヨーロッパでは古くから食されていたようです。
日本では1985年に佐賀大学農学部がアイスプラントの土壌に含まれる塩化ナトリウムを吸収する吸塩機能を塩害対策に役立てようと持ち込んだのがきっかけとのことです。
ブラッター細胞には根から吸収したミネラル分が蓄えられており、塩分もここに蓄えられるため、食するとほのかな塩気が感じられます。
アイスプラントにはクエン酸やカリウムが豊富に含まれており、他の野菜には一般的には含まれていないビタミンの一種であるミオイノシトールやピニトールといった栄養素も含まれています。
アイスプラントは挿し芽(挿し木)で増やすことが可能であり、比較的容易に栽培できる野菜のようです。家庭菜園については、ほぼ未経験者である自分にとって、最初に挑戦するのにちょうど良いのではないかと考えました。
挿し芽による再生栽培
今回、再生栽培で利用したアイスプラントは、地元で採れた食材を扱っている近所のお店で購入しました。購入したのは2月の初旬、1パック138円(税込み150円)でした。
購入したアイスプラントの一部を切り離して挿し芽に挑戦します。挿し芽は株の一部分を切り取り、発根させて増やす方法のことを指します。
挿し穂(挿し芽のために切り取った部分)は、茎の切断面ができるだけ綺麗になるように、未使用のカッターの刃を用いて、株の先端の方から丁寧に切り取りました。カミソリの刃を使うと良いようですが、手元にはなかったので、交換用のカッターの刃を使いました。
挿し穂は、小さなプラスチックの容器(ゼリーが入っていた容器の再利用)に入れました。この際、茎の切断面が少し浸かるぐらいに水をいれました。
水は単なる水道水で液体肥料等は何も加えていません。今回は2本の挿し穂で挑戦しました。
購入したアイスプラントは全て食べることができるため、「再生栽培」というよりは、「食べられる部分の一部を利用して増やす」と表現する方が正しいのかもしれません…😅。
35日目
水は毎日、新しい水と交換することが望ましいようです。実際には、水替えを何度か忘れることがありつつも、挿し穂を始めてから1ヶ月以上が経過しました。この間、葉が少しづつしおれて、なかなか発根しないので、このまま続けるかどうか悩んでいました。
左側の挿し穂ですが、葉の先端が赤く変色し、一部は枯れ始めています。もう駄目かも、と思いましたが…。
茎の切断面をよく見ると、根のようなモノが1本、小さく生えているように見えます。もう一方(右側)の挿し穂では、発根は確認できませんでしたが、しばらくこの状態で栽培を継続することにしました。
43日目
挿し穂の開始から約1.5ヶ月が経ちました。葉は端の部分が枯れてきており、その大きさは当初の状態と比較すると半分以下になってしまいましたが、小さいながらも新しい葉が生えてきているように見えます。
茎の切断面を観察すると、左側の挿し穂の根の数が4本に増え、少し長くなっています。
右側の挿し穂にも発根しました! それも複数本確認できます。
60日目
新しい葉が少しづつ増えているようですが、左側の挿し穂は大きな葉が枯れてしまい、全体的にかなり小さくなったように感じます。
右側の挿し穂は発根が少し遅かったのですが、葉の大きさは寧ろこちらの方が大きく、左側の挿し穂と比較すると状態は良いように見えます。
左側の挿し穂は、根の長さがさらに伸び、根の本数も増えてきました。
右側のアイスプラントも根の長さは左側と同じぐらいに伸び、根の本数も増えています。
64日目
64日目に左側のアイスプラントの挿し穂で開花を確認しました。花のつぼみのようなモノができているのは気付いていましたが、液体肥料などを一切加えていない水道水に浸けた挿し穂の状態で花が咲くことは想定していませんでした。
「花が咲くと、その後、枯れてしまう。」とネット情報で見た記憶があり、少しショックでしたが、栽培はこのまま継続します😐。
白く細い花びら(花弁?)が、透明でぷつぷつとした感じのブラッター細胞がある葉や茎とよく調和していると感じます(個人の感想です😅)。
66日目
ついに左側の挿し穂では2つめの花が咲きました。さらに3つめの花のつぼみが大きく膨らんでいます。
一方、右側の挿し穂には、花が咲く気配はありません。
いずれにしましても、どちらの挿し穂も、何とか発根し、根の数が増え、長さも伸びてきたので、土(培養土)に植え替えることにしました。
(次回(アイスプラントの農薬&化学肥料不使用での再生栽培 その2 - i-papax’s blog(生活防衛))に続きます…😅)